感謝する日
誕生日の朝、ご近所の方がお庭に咲いたお花を持ってきてくださいました。
母が大好きな花の一つ小手毬。
「誕生日は、自分を生んで育ててくれた親に感謝する日なんですよ」と、
小学生のころに先生から教えていただいたことを思い出しました。
ふんわりと満開の小手毬、部屋中が温かい空気に包まれたように感じ
ました。
午後からは弟の家族がお祝いにきてくれて、楽しく食卓を囲みました。
チカちゃんのお父さんとお母さんは、どんな猫さんなんだろう
ねぇ・・・
その数日前、友人から誕生祝に「赤坂 金龍」へ招待していただきました。
赤坂見附駅からすぐの、数寄屋建築の和食ダイニングです。
もともとは料亭だった創業80年のこのお店、実業家や政治家をはじめ
多くの著名人が出入りしていたそうですが、時代の波に押されて一度
店を休業。
昨年、創業当時の家屋を生かして復活したのだそうです。
黒塀で趣のあるエントランス
早めに着いたので、仲居さんが庭やお店のなかを案内してください
ました。
著名な造園家が設計した庭園。
この右側が、私たちが通された掘りごたつ式のお席。
夜にはライトアップされた庭が美しかったです。
数寄屋の窓越しに庭を望むことができる、ブビンガの一枚板の
カウンター席。
お座敷の襖には、前衛女流書家 日景祐さんがこの場で揮毫した
「至味」が。
お料理のそれぞれの味にいたるまでのプロセスを表現したものだ
そうです。
2階のお座敷
ステージを設けた大広間ではひと月に一度程、芸者衆による踊り
や三味線、落語などの古典芸能を鑑賞できるイベントが催される
そうです。
棟方志功が田中角栄元首相と会食した際に、その席で揮毫した
「道」
引き込まれるような力強さを感じました。
同じお座敷には、中国の焼き物 唐三彩の「鬼」
落ち着いた色合いで、日本座敷にマッチしていました。
岸田劉生の絵
米国ミネソタ州出身の版画家、クリフトン・カーフの作品「花札」
クリフトン・カーフは日本に住み、日本の美しい風景や対象物を
版画で表現していた親日家。
一番下の段の左から二番目に、自分の顔があるのがご愛嬌。
カウンター席の奥にも、クリフトン・カーフの版画が。
このカウンターは、お酒だけ飲みに来ても良いそうなので、
機会があったらまた行ってみたいと思いました。
誕生祝だからと、お店からシャンパンをサービスしていただき
ました。
お料理もとても美味しかったし、なにより、以前は一見お断りの
料亭だったお店に足を踏み入れることができ、数々の芸術品を
堪能させていただいて幸せでした。